白堊應援團 30 > 三号館 一号室 創立記念運動会

           

 入学式の後、学力テスト、運動部入部勧誘兼応援歌練習新入生歓迎キャンプなど次々と今までのお利口さんの中学生とは打って変わった学校生活を次々と経験するうちに、高校生活最初のお花見もそこそこに創立記念運動会が待っている。入学当初の頃よりは少しは柔和に見える応援委員がまたやって来て,
「ンダバ、各列から一人ズヅ選べ、運動会のDOJIN踊りやってもらうガラ。おっとオナゴ(女)ど運動部はワガネ(駄目だ)ゾ」
と言うわけで、DOJIN踊り要因として各クラス10人ほど計約60人が放課後校庭か講堂に集められる。なんのことはない応援団が中心となってやるDOJIN踊りの「平DOJIN」として。酋長、占い師の演技の前踊りをやらされる。ただし、これは一年生でも楽しめる。当日は腰にイネ科の雑草(隣の学校の農園のイネをとって校長の訓戒されるのも居る)を巻き、歌に合わせて踊る、その練習を放課後の講堂で行うが、別に怒鳴りつけられるわけではない。校歌・応援歌をしっかり歌えるようになったら白堊健児として認められ、上級生にはどこで会っても「オス」と挨拶しさえすればOKである。そこで先輩たちの年期の入った絶妙の腰使いに爆笑しながら自分も腰をひねくり回しだんだん上達するしこれをやるために一高に入って来たような「才能」に恵まれた一年生も出てくる。こうなれば三年生までドップリとDOJIN踊りに漬かってしまう。毎年運動会が楽しみとなる。「ハヤグ 皆なの前でオドリテナ」というわけである。

ノーナマニサパヤンプリマン  ノーナマニサパヤンプリマン  ノーナマニサパヤンプリマン  ウササーノヤマガダギー  キタイナウリピネ   ウウヤワウウヤワテンヤワウ  ヤナウイレゲトイ  レゲミテニガンニワ  シゲラニサマヨウイマシゲレ  アロレロレローレ  ロレサソワー  キョエーキョエー  ヤーナアウー

                                 (サウンド出典;原 秀行氏HP(midi対応))

 運動会の前日は、リヤカーに太鼓を積みDOJINの扮装で市内を宣伝に回る。1年の有志と3年で市内所々で踊ったりしてPRに努める。顔も分からないからあまり「オショスグ」はない。二高の前までも行って一騒ぎしてくる。ただしあまり悪ふざけをするとコウチョ、キョウトウがうるさい。


土人踊りのはじまりについては「先達館 」二号室

H3白堊OB佐藤氏の提供による最新の運動会画像を掲載します。
(不定期掲載につき、途中で中断することあります。
 

 平DOJIN(ひらどじん)の踊りが終わると、酋長を始め3年生応援団で構成される幹部のDOJINが入場する。これは、部族の強さや権威を踊りによってアピールし他の部族を圧倒する役目がある、当時は毎年ストーリーが引き継がれていて戦いの年和解の年、結婚の年、二世誕生などと流れていたが、物語の内容にに関わらず、相手を圧倒するような工夫が必要である。一般的なDOJINは茶色であるが、部族によっては真っ黒だったり青みを帯びた黒だったりする。和平のための仲介の部族を含めて3部族がそれぞれ独自の踊りを披露する年もあった。また、演出も凝っていて三十二年は陸上部のキャプテンが 校庭の端から火のついた槍を校庭のど真ん中に投げそれを合図に始まったが、あの見事な光景は今でも忘れられない(上の写真:アルバムより中央に見える張出した部分の一階が三十二年当時の二年一組四号館)の教室)。

 いよいよ呪い師と登場である。この役目は重要かつある種の覚悟がいる。なんとなれば「ザリパーン」「ギョロケーン」「ピテカーン」「カッパー」「ベンジョゲダー」「ドロガメー」「カギモグー」「ノラクロ」「ヤスポン」などと先生のあだ名を連呼しその後に「コバガタレー」だの「スンデスマエー」などと悪口を並べ立て、一人の先生ごとに皆の歓声に答えながら登場するので。言われた本人はじっくりと誰がやっているか見極められるので、当然名前は知られる。そこで教師に好かれている者か、徹底的に反抗して煙たがられている者が努める。この写真の時はが悪役を引き受けた体に泥絵具を塗りボロ下着を縦に細いて着て腰にはやはりボロ切れを巻きマントを装着。腰のグラインドは左右両回転を巧みに切り替え観衆をうならせた(写真:アルバムより)。

 運動会の出し物はほかにも色々ある。「白堊幼稚園」や「仮装行列」で後者はやはり学校側ともめる原因となる。度をすぎたHものなや教師のまねなどがそれで身体的特徴をオーバーに表現して大騒ぎになり教頭やら担任やら、当の本人からさん説教されたりした。三十二年度の二年一組はそういう意味では最高のクラスであった。

 三十五年には女子が「ファイヤーストームに参加させろ」と言ってキカナグなって困った覚えがある。何とか説得して、別途体育館にて女子だけでもらった。ウーマンリブのハシリか。(写真出典:アルバム)

  運動会の締めくくりはなんといってもファイヤーストームである。新歓キャンプや部活などで先輩たちから教わったストームソングを誰に遠慮をすることなく声を限りに歌いまくる。そして、だんだん興奮してくると、かの津軽の「ねぶた祭り」の「ラセッラー」の如く数人が肩を組んでぐるぐると激しく回ったりする。先生方も参加することもあるが体育系のしかも我が校の先輩でなければつとまらない。何せ荒っぽい歓迎を受けるからである(胴上げ手放しなど)。当時「花くれないに」という映画の撮影(ロケ)で寮生をエキストラにストームシーンをやったが、あまりのお上品さに「ただのタギビ(焚き火)ダベジャ」と失笑した覚えがある。

 ともかく消防署の許可も取り大いばりで運動会の資材も全部燃やして天をも突くような巨大な炎の元で大興奮して「イヤハヤ大したもんだったジャ」。

 

 

2000/10:Updated 2015/07